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まず、リスクを管理する手段として近年発達してきたデリパテイブについて説明した後、デリパテイブによるリスク管理の一例として、金利リスク管理の様々な手法について説明する。
さらに、企業のリスク管理の一般的なフレームワークについて説明する。
国デリバティブとは何か1、1デリパティブとは一般に、ある商品や資産の価格(または金利など、価格に関連した指標)に依存して価格が決定される商品はデリパテイブ(派生商品、派生資産)と呼ばれる。
現在、農産物や金属などの実物資産だけでなく、通貨、短期金融商品、債券、株式など広範な金融資産のデリパテイブが取引されている。
これらのデリパテイブ取引の対象となる資産は原資産と呼ばれる。
近年は様々な種類のデリパティブが取引されているが、これらは先物、オプション、スワップの3つを組み合わせたものと考えることができるので、まずこれら3つのデリパティブの基本的な特徴について解説しよう。
広義の先物取引とは、将来のある時点で決められた価格で商品の売買をおこなさきわたしう取引であり、庖頭取引の先渡取引(フォワード)と取引所でおこなわれる先物取引(フューチャー)とに分かれる。
先渡契約は、通常満期日での現物の受け渡しを原則としており、相対取引でおこなわれ、反対売買は相手がみつからないとできない。
これに対し、先物契約は取引所でおこなわれ、受け渡し単位、取引単位、決済方法などが標準化されており、多くの場合、反対取引によって清算される。
先物を利用してのリスクヘッジの代表例として、為替の先物予約があげられる。
輸出入等の海外取引をおこなっている企業にとって、為替リスクをいかに管理するかは重要な課題であるが、為替リスク管理の方法として最も普及しているもののつが先物予約である。
[例1]ドル建てで輸出しているA社が1カ月後に受け取る輸出代金について1ドル100円で為替予約(ドル売り、円買い)をおこなって、現時点で円ベースでの手取額を確定した。
図161は以上の為替予約をおこなった場合の機会損益を表している。
当然のことながら1カ月後のスポットレートが1ドル100円より円高ならば、為替予約をおこなったほうがおこなわなかった場合より手取額が多くなるので、機会利益を得たことになり、逆に1ドル100円より円安であれば機会損失となる。
このように先物取引の損益曲線は直線となる。
オプシヨンは将来の価格を定めた取引という点では、先物と同じであるが、売買の権利である点で先物と異なる。
[例2]前述のA社が先物予約に代えて1ドル100円でドル売り、円買いをおこなうオプションを購入した。
この場合、オプション行使時のスポットレートが1ドル100円より円高であれば、オプションを行使すると、スポットレートで円に交換するよりもより多くの円が入手できるので、オプションを行使する。
これに対し1ドル100円より円安であれば、オプションを行使せず、スポットレートで交換したほうが得になる。
このように、オプションは売買の権利であり、行使価格と原資産の価格の大小関係によって、行使されないこともあるので、損益曲線は図162のように1本の直線ではなく、行使価格のところで折れ曲がった直線になる。
図にはオプションとともに例の先物予約の損益を表した直線も書かれている。
機会損失を抑えられるという点で、オプションのほうが先物よりも有利にみえるが、実際にはオプションのプレミアムを支払う必要があるので、機会利益の額はオプションのほうが先物よりも低くなる。
したがって、ヘッジの手段として先物とオプションのどちらか一方が有利ということはない。
スワップとは、異なったキャッシュフローの交換であり、変動金利と固定金利(または異なった形態の変動金利同士)を交換する金利スワップと、異なった通貨のキャッシュフローを交換する通貨スワップがある。
[例3]B社は想定元本を100億円とする年4%の固定金利(年2回支払い)を支払い6カ月IBO「を基準とする変動金利を受け取るスワップ契約を結んだ。
この例で、想定元本とは金利計算のもととなる元本の金額を表すが、元本自体の交換はおこなわないので「想定」元本という表現が使われる。
また、スワップ取引の変動金利の基準としてはしばしばIBO「(ondonInte「BankOffe「ed「ate、ロンドン銀行間出し手レート)が使われる。
この場合、ある金利支払い時期の損益曲線は図163のようになる。
スワップをおこなわない場合に比べて、IBO「(年率)が4%より高ければネットの受け取りとなり、4%よりも低ければネットの支払いとなる。
これまでみてきたことからわかるように、デリパテイフ、、を損益曲線のパターンで分類すると、フォワード型(先物、スワップ)とオプション型に分類することができる。
フォワード型は原資産の価格が変化すると損益が上下に直線的に動く特徴を持っているが、オプション型の取引は損益が途中で折れ曲がる特徴を持つている。
また、デリパテイブは取引形態で上場物(取引所で取ヲ1)と庖頭物(庖頭での相対取引)に分けることができる。
上場物は、原資産の種類や行使価格、期間などの取引条件が標準化されていることと、実質的に取引相手の信用リスクを考慮する必要がないことが特徴としてあげられる。
さきほど説明したように、先物取引(フューチャー)は上場物である。
これに対して、庖頭物は、原資産の種類や行使価格、期間などは双方が合意すれば自由に決められることと、相対取引のため、取引相手が債務不履行となる信用リスクがともなうことが特徴としてあげられる。
先渡取引(フォワード)は庖頭物の一例である。
では、先物市場、オプション市場、スワップ市場はどのような関係になっているのであろうか。
本書では詳しくは述べないが、各々の市場は裁定取引、ヘッジ取引を通して結合している関係にある。
例えば、金利については、債券の現物市場で成立している金利体系から、フォワード・レートが計算でき、先物市場での金利体系を定めることができる。
また、フォワード・レートがわかれば、スワップ・レートを計算することができる。
また、現物と先物をダイナミックに組み合わせればオプションを合成することができるので、金利オプションの価格(プレミアム)を計算することができる。
もし、現実の市場で以上のような関係から講離した関係が成立していると、たちまち裁定取引によって、リスクなしに利益をあげることが可能になる。
効率的な現物市場が存在すれば、デリパティブの価格は裁定取引で利益をあげられないような水準に決まってくる。
さきに為替レートの先物とオプシヨンの損益曲線の比較をしたが、効率的な市場でオプションのプレミアムが決定されていれば先物とオプションのどちらか一方が有利ということはありえないのである。
デリパティブ取引をおこなう場合には、以上述べた分類を常に頭に入れて、商品の性格を理解することが不必要なリスクをとらないために必要である。
前述のように、金利スワップとは二者のカウンター・パーテイ間で合意された期間中、ある想定元本に対して異なる金利指標を適用して計算された利息支払いを交換する契約である。
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